小惑星のかけらを取るには・・・



小惑星に到着し科学観測を行った後、サンプルの 採取、つまり、小惑星の表面から表面物質を採る、 というMUSES−C計画のハイライトのひとつが やってきます。
 さて、ところで、どうやってサンプルを採取したらよいでしょう? 小惑星の表面はとても重力は小さいです。月の重力は地球の6分の1など と言われていますが、小惑星表面の重力は地球の10万分の1以下です。 探査機にドリルを積んで穴を開けようにも、アンカーでしっかり固定していないと、 穴が空く前に探査機が上に飛んでいってしまいます。
 それから、忘れていけないことがもうひとつ。 小惑星の表面がどうなっているのか、本当のところは誰も知りません。 知らないからこそ調べに行く価値があるというものです。
 さあ、どうやったら、よいでしょう?これは、なかなか難しい質問です。 いくつもの実験を経て、私たちがたどり着いた結論は、「表面を打ち壊せ」です。 どういうものなのか、図を用いて説明しましょう。

サンプル収集の順番は、こうです。まず、重さが数グラムの金属球を秒速300m 位の速度で打ち出します(図のA)。 金属球は、小惑星の表面を破砕し、その結果、かけらが飛び散ります(図のB)。 小惑星の重力はとても小さいため、飛び散った破片は、サンプラー・ホーンに 導かれ、探査機内の収集箱へとのぼっていくのです(図のC)。

 無重力実験を含む数多くの実験を行った結果、私たちは、 この方法がよい、と確信を持つに至りました。

 サンプルの採取はできるならば多数回異なった場所で行い、 より多様なデータを得る予定です。1回毎に探査機は、 小惑星に近づきサンプルを収集し、また上空へと戻ります。 小惑星の表面との接触時間は1回あたり1秒程度となる予定で、 サンプル収集機構は、あらゆる種類の表面に対して対応できるような 機構となっています。


サンプラー・ホーンのプロトタイプ・モデル。 このホーンの先端が小惑星の表面に接触します。 そのため、このホーンにはサンプルを収集するための装置としての 機能の他に、接地衝撃を緩和するという重要な使命があります。 ホーンで衝撃を緩和することで、探査機の姿勢が大きく崩れるのを 防ぐのです。

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